50代の資産配分は「時間軸」で決めた——売らない・迷わない、わが家のNISA実践のシンプルなルール

お金・資産

〜先に時間軸を決めたら、配分も運用もシンプルになった〜

この記事は、「NISAで実際にどう運用していけばいいのか」「他の人はどんな配分で、毎月どれくらい手をかけているのか」を知りたい方に向けて書いています。48歳から資産形成を始めた私が、今どういう配分で、どういうルーチンで運用しているかをまとめました。お金・資産シリーズの7話目です。

このシリーズの全体像は1話目にまとめています。


前回の6話では、「長期・分散・積立」という考え方にどうたどり着いたかを書いた。

今回は、その考え方を実際にどう回しているかの話。配分、NISA枠の使い方、毎月の作業、そして5話で書いた貯蓄型保険の解約で戻ってきた約600万円をどう入れたか。

先に言っておくと、ややこしいことは何もしておらず、手間もかけていない。インデックス側の毎月の作業は5分もかからないし、高配当株も買い増し対象を確認するだけだ。

今の配分——インデックス8割、高配当2割

まず全体像から。

  • インデックス投資:約80%
  • 高配当株:約20%

6話で「インデックス投資と高配当株の二本柱」と書いたが、今の配分を見ると、ほぼインデックス主体だ。高配当株は、その上に乗せている程度。

二本柱と言いながらこのバランスなのには理由がある。それは、配分を先に決めたのではなく、時間軸を先に決めたからだ。

5年でNISAをインデックスで埋めきる——時間軸を先に決めた

新NISAの生涯投資枠は1人1,800万円。年間の上限は、つみたて投資枠と成長投資枠を合わせて360万円なので、最速なら5年で埋めきれる。

私は、この「最速5年」をそのまま自分の計画にした。中身はインデックス(オルカン)だ。オルカンは、全世界の株式にまとめて投資できるインデックスファンドの通称。

妻も、NISAでオルカンを積み立てている。

NISAの枠をインデックスで5年で埋めきる。これが私の運用の土台になっている。今はその3年目だ。

だから今は、インデックスが主体になる

NISAの枠をインデックスで埋めることを最優先にしているので、今はどうしてもインデックスの比率が高くなる。高配当株は、その合間に少しずつ特定口座の方で積み上げてポートフォリオを育てている段階だ。

そして5年でNISAを埋めきったら、その後は特定口座の高配当株の買い増しに比重を移していくつもりでいる。場合によっては、新しく入れるお金はほぼ100%高配当株に振り切ってもいいと考えている。

配分を先に決めたのではなく、時間軸を決めたら配分が決まった。 今の「8対2」は、あくまで今の時点での姿だ。

5年で埋めきるのは、長期で見た「段取り」

5年でNISAを埋めきるという目標は、50代から先も見据えた、長い資産形成の段取りの一つだ。とはいえ、5年で埋めきること自体が目的ではない。

会社員として給与収入があるうちに、NISAの枠をインデックスで早めにフルに活かしておく。NISAをインデックスに振り切りまず先行させる理由は、その後は放っておいて複利の力が時間をかけて育てていってくれると期待できるからだ。そのうえで、投資対象としては高配当株に軸足を移し、配当という「使えるお金の流れ」を太くしていく。

この順番はすごく大事で、時間を味方につけるためにまずNISAでインデックスを活用し切って、あとはほったらかしにしておけば良い。その先は高配当側を充実させる——こうした段階的な方針を先に立てて、その流れに沿って動いているので、NISAで何を買えばいいのか?と迷うことは無いし、売るべきか?という悩みが生じることもない。

5年という期間は、自分の収入や手元の資金から決めたもの。大事なのは年数ではなく、先に時間軸を決めることだと思う。

もう一つの方針——基本的に「売らない」

時間軸と並んで、最初に決めたことがもう一つある。それは、基本的に売らないということだ。

私がやっているのは、長い時間をかけた資産形成だ。資産を取り崩すのは、将来リタイアしてから。そもそも、そのために今こうして資産を積み上げている。

だから、相場が上がろうが下がろうが、基本的には売らずに持ち続ける。例外は、高配当株で持っている銘柄が上場廃止になる、といった特別なケースくらいだ。

こう決めておくと、運用が驚くほどシンプルになる。「いつ売るか」「今が利益確定のタイミングか」を考える必要がないからだ。考えるのは「何を、どういうペースで買い続けるか」だけ。この後に書く毎月のルーチンが短く済むのも、この方針があるからだと思う。

そもそも、投資先は「株式のみ」

もう一つ、運用をシンプルにしている前提がある。私の投資先は、基本的に「株式のみ」だということだ。

世の中には、暗号資産、不動産投資、金などの貴金属、債券や国債など、さまざまな投資先がある。どれにもそれぞれの特徴があって、何を目的にするか次第で向き・不向きが変わるものだと思う。

ただ、私の目的は、老後に向けた長期の資産形成だ。その目的で考えたとき、6話で書いた「長期・分散・積立」というアプローチは、株式中心でも十分に満たせると考えた。インデックスで世界中の株式に分散し、高配当株で配当の流れをつくる。この2つで、目的に必要なことはカバーできている。

だから私の場合は、投資先をあれこれ増やさず、シンプルに「株式」だけで十分だと、今の時点では考えている。見る対象が株式だけなので、管理も判断も迷いにくい。

約600万円を、どう入れたか

5話で書いた通り、貯蓄型保険を解約して約600万円が戻ってきた。

このお金をどうしたか。迷いなく、一括でオルカンを買った。

こう書くと、「600万円を一度に入れるのは怖くなかったのか」と思われるかもしれない。ただ、迷いは全くなかった。

迷わなかった理由——順番が逆だった

理由はシンプルで、戦略が先にあったからだ。

解約してから「さて、このお金をどうしよう」と考えたのではない。NISAを5年で埋めきる、インデックスを土台にする——という方針がすでに決まっていて、そこに入れるお金として保険を解約した。

解約してから「どうしよう」ではなく、「こうしたいから解約できた」。

振り返ってみると、この順番だったことが一番大きかったと思う。お金の置き場所が先に決まっていたから、解約という決断もできたし、一括で入れることにも迷わなかった。

なお、生活防衛資金(急な出費や収入減に備えて手元に置いておくお金)として、生活費の6か月分程度は別に確保している。投資に回したのは、それとは切り離したお金だ。

NISA枠に入らない分は、特定口座で

600万円をNISAの年間枠にすべて入れることはできない。そこで、こういう流れにした。

  1. その年に使えるNISA枠の分は、NISAでオルカンを買う
  2. 枠からはみ出た分は、特定口座(課税口座)でオルカンを買う
  3. 年が変わってNISA枠が復活したら、特定口座のオルカンを売って、NISAで買い直す

こうすれば、お金を現金のまま遊ばせておかずに済むし、年々NISAの中に移していける。手間は年に一度だけだ。

ここで「売る」と書いたが、これは同じオルカンを課税口座からNISAに置き換えているだけで、資産を手放しているわけではない。「売らない」方針とは別の話だ。なお、特定口座での売却時に利益が出ていれば、その分には原則として税金がかかる。それを踏まえたうえで、非課税のNISAへ順に移す方を選んでいる。

毎月のルーチン——手間はほとんどかからない

ここからは、日々の運用の話。インデックスと高配当株で、やっていることがまったく違う。

インデックス側——完全に機械的

インデックス側は、年間のNISA枠をちょうど埋めきれる一定額を、毎月オルカンに積み立てているだけだ。

お金の流れも決まっている。給料が振り込まれたら、住信SBIネット銀行(現在の「ドコモの銀行」)に移し、そこからSBI証券で積立。この流れは4話目の銀行口座編で詳しく書いている。

一度設定してしまえば、毎月やることはほぼない。確認を入れても5分以内で終わる。

高配当側——確認だけのシンプルなルール

高配当株のほうは、自分で銘柄を選んで買っているので、少しだけ手をかけている。とはいえ、やっているのは次の確認だけだ。

  • 月に1回、リベ大(リベラルアーツ大学)で出ている新しい情報を見て、新しく検討したい銘柄がないかを確認する
  • 持っている銘柄の中で、平均取得価格から20%下がっているものがないかを確認する
  • 該当するものがあれば、買い増す

下落の確認だけは月1回よりもう少しこまめに見ているが、数字を見るだけなので一瞬で終わる。これが私のシンプルなマイルールだ。毎日チャートとにらめっこする、ということは一切していない。

ルールを決めておくと、判断に迷わなくなる。値動きのたびに気持ちが揺れることも少ない。この「迷わない仕組み」にしておくことが、仕事をしながら長く続けるうえで一番大事だと私は考えている。

オルカンとS&P500——シンプルにまとめていく

実は、最初からすべてオルカンだったわけではない。

始めた当初、妻のNISAはオルカン、自分のNISAはS&P500(米国の代表的な500社で構成される指数)に連動するファンドにしていた。今も両方を持っている。

ただ、この2つは内容的に似た銘柄も多く、動き方は似ている。それなら分けて持つ意味は薄いと考えて、自分の新しく買う分もオルカンに寄せ、シンプルにまとめていくことにした。

オルカンとS&P500の違いや、最終的にオルカンを選んだ理由は、次回の8話で詳しく書くつもりだ。

iDeCoをやっていない理由

資産形成の話になると、NISAと並んでよく出てくるのがiDeCo(個人型確定拠出年金)だ。

iDeCoは、掛金が所得控除になるなど、有力な選択肢の一つだと思う。ただ、私はやっていない。

NISAを埋めきった先の、さらに上乗せする手段としては「あり」だと考えている。ただ、受け取るときの方法やタイミングなど、将来の管理が一段複雑になる。私はNISA+特定口座で十分に回せているので、シンプルさを優先して、今はiDeCoを使わないことにしている。

これはあくまで私の判断で、使ったほうがいい人ももちろんいると思う。

NISAを埋めきったあと、どうするつもりか

今は3年目なので、あと2年でNISAの枠を埋めきる予定だ。

そこから先は、高配当株の買い増しに比重を移していく。6話で書いた言葉で言えば、「ストック(資産を育てる)」から「フロー(配当というお金の流れをつくる)」へ、少しずつ軸足を移していくイメージだ。

埋めきったNISAのインデックスは、売らずにほったらかして複利に任せる。手をかけるのは高配当側だけになるので、運用はさらにシンプルになっていく。

どういう基準で高配当株を選び、どう管理しているかは、9話で詳しく書く。

まとめ——決めてしまえば、手間はかからない

今回の内容を整理すると、こうなる。

  • 今の配分は、インデックス約8割・高配当株約2割
  • 先に時間軸を決めた。NISAを5年で埋めきる段取りで、今は3年目。給与収入があるうちに、NISAを活かしたインデックス投資を完結した上で、高配当株投資に移行し配当の流れを太くしていく段階的な方針。先行させたインデックスは複利に任せてほったらかす
  • 基本的に売らない。取り崩すのはリタイア後なので、売り時を考える必要がない
  • 投資先は基本的に株式のみ。長期の資産形成という目的なら、株式中心で十分だと考えている
  • 毎月の作業は、インデックスが5分以内、高配当株も確認だけのシンプルなルール

振り返ってみると、大変だったのは最初に方針を決めるまでだった。一度決めて仕組みにしてしまえば、あとはほとんど手間がかからない。

仕組みにしてしまえば、お金の管理は日常の邪魔にならない。 仕事も、家族との時間も、趣味も大事にしたい50代にとって、これが一番ありがたいところだと思っている。

次回は、なぜオルカンを選んだのか。インデックス投資の中身について書いていく。


※この記事は私自身の実体験と考えをまとめたもので、特定の金融商品や投資手法を推奨するものではありません。投資の判断はご自身の状況に合わせて、ご自身の責任で行ってください。
※投資には元本割れのリスクがあります。過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。


次回は、「インデックス投資の詳細」について書いていきます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました