ウィーン出張のすき間時間、朝はジョギング、最終日はコンサートへ——出張時は「仕事」と「余白」で相互を充実させる

ウィーンの王宮と青空 仕事・転職
歴史と緑が同居するウィーンの街

〜街と音楽と人が、ひとつながりだった1週間〜


この記事は「仕事・転職」カテゴリーのスパイス記事です。海外出張の過ごし方や、50代の働き方に興味のある方に向けて書いています。


先週、仕事でウィーンに出張に行ってきた。1週間ほどの滞在だった。

ロンドン出張の記事では、グローバルのメンバーと働くことについて書いた。今回は、同じ出張でも別の面——余白時間の過ごし方の話を書きたい。

出張の本体はもちろん仕事だ。日中はみっちり詰まっているし、そのために行っている。ただ私は、仕事と適度な余白は別物ではなく、セットだと思っている。集中して働いた日の夜や朝だからこそ、見るもの聞くものが沁みる。逆に、その時間があるから仕事にも集中できる。

今回のウィーンでも、それを体感した1週間だった。

毎朝走る——出張のときこそ、おすすめしたい

まず、朝のジョギングの話から。

私は普段から走ることが趣味だが、出張のときも必ずジョギングをするようにしている。むしろ、出張のときこそ走ったほうがいいと思っている。

理由はいくつかある。

時差ボケに効く。朝の光を浴びて体を動かすと、体内時計が現地に合いやすい。これは実感としてはっきりある。

コンディションが保てる。1週間の出張は、座っている時間も長く、夜は会食が続く。何もしなければ、体は確実に重くなる。朝に30分走っておくだけで、日中の頭の働きが違う。仕事のためにも走っている、という面は大きい。

街が一番きれいな時間に見られる。観光客が動き出す前の街は静かで、地元の人の生活がそのまま見える。店の開店準備の音、犬を散歩させている人、通勤の自転車。ガイドブックには載っていない景色を自分の足で走る速度で見て回れる。

朝のウィーンの並木道とトラム
朝の光の中を走る。観光客が動き出す前の時間

ウィーンの朝は、石畳と、緑と、まだ静かな街並みだった。走りながら、この街のことを少しずつ好きになっていったように思う。

最終日は、楽友協会でベートーヴェンを

今回の出張では、最終日の夜に余白時間を作ることができた。あてたのは、コンサートだった。

夕暮れの楽友協会の外観
楽友協会。開演前の空の色

楽友協会(Gesellschaft der Musikfreunde)。毎年のニューイヤーコンサートが開かれる、あの黄金のホールだ。そこで、イゴール・レヴィットのピアノでベートーヴェンを聴いた。

クラシックに詳しいわけではない。それでも、あの空間で音が鳴った瞬間のこと、そして観客の拍手や最後にスタンディングオベーションで奏者を称える雰囲気は、たぶんずっと覚えている。

楽友協会ホールの天井とシャンデリア
黄金の間。この空間に、今日の音が足されていく

音が、建物と一体になっているという感じがした。150年以上、そこで音楽が鳴り続けてきた場所に、今日の音が足されている——そういう時間の厚みが、座っているだけで伝わってくる。

ウィーンには、楽友協会だけでなく、オペラ座もあれば、大小の劇場がいくつもある。音楽が特別なイベントではなく、街の生活の一部として続いてきたことが、それらの建物や集う人々のたたずまいからも感じることができた。

街と音楽と人が、別々じゃない

ウィーンで一番印象に残ったことを一つ挙げるなら、これになる。

街並みも、音楽も、人も、それぞれが独立していない。全部が一体になってウィーンだった。

シュテファン大聖堂
シュテファン大聖堂のモザイク屋根

石畳の道。緑に囲まれた街並み。歴史を積み重ねてきた建物。そこを歩く人たちが、またすらっとした品の良さを持っていて、街と自然に調和している。店の対応も落ち着いていて、乱暴なところがない。急かされない。

どれか一つが良いのではなく、全部がつながって、あの空気をつくっている。だから初めて行った街なのに、妙に居心地がよかったのだと思う。

ライトアップされたウィーン国立歌劇場
夜のオペラ座。音楽が街の日常にある

歴史・文化が豊かだ、という言葉を、こういうときに使うのだと思った。

夜は、料理とワイン

もちろん、夜はちゃんと楽しんだ。

ウィンナーシュニッツェルと白ワイン
シュニッツェルと白ワイン

食事とワイン。その日の仕事の話をしながら、同じ日に見たもの、聞いた音の話もする。仕事の緊張が解けたあとの出張時の一杯は、普段飲む一杯とはまた少し違う味がする。

50代の今、余白時間をどう使っているか

出張のときも、空いた時間をどう過ごすかを自分で選ぶこと。それが楽しむということだと思う。私の場合は、「ジョギング」と「その街ならではの体験」に時間を使うことにしている。20代、30代の頃は、出張先でも買い物に時間とお金を使っていた。今は、モノより体験のほうに使っている。

ウィーンの街を歩きながら、ふと考えたことがある。時間というのは、お金と同じで、積み重なって利息がつくんじゃないか。何百年も積み上げてきた街に立つと、そう思えてくる。自分で選んで過ごした時間は、あとから効いてくる。今、自分が大事にしたいと思い、このブログのテーマにもしているのが「自分の人生・時間(ライフシフト)」だ。積み重ねられた時間を全身で感じることができるウィーンの街で、このテーマについて少し立ち止まって考える時間がもてたことは、とても良い体験だった。

積み重なった時間の上に今がある——この感覚は、その後家族で訪れた広島・宮島でもあらためて感じた(「広島・宮島へ家族で1泊旅行」)。

この話は、いずれ「マインド・生き方」のカテゴリーで、あらためて書いてみたい。


このブログ「エンジョイ人生」では、50代からのライフシフトをリアルに記録していきます。同じもやもやを持つ方のヒントになれば嬉しいです。

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