登山経験ゼロの50代が、思い立って富士山へ——吉田ルート・ご来光までの実録

富士山頂上浅間大社奥宮の石碑 趣味・エンジョイ
ついに山頂へ。「富士山頂上浅間大社奥宮」の石碑の前で

この記事は、いつもの「仕事・お金」シリーズとは少し違う、月イチのスパイス回。50代で初めて富士登山に挑戦した記録です。これから富士山に挑戦したい方にも、少しでも参考になれば嬉しいです。

先日(2026年8月13日〜14日)、初めて富士山に登ってきた。

吉田ルート、5合目からの日帰りならぬ「1泊2日」。近所のパパ友3人との、初富士山だった。全員50代前後で、山登りは全くの素人3人組。

普段からジョギングなどの運動は続けていたものの、本格的な登山は初めて。いわば登山経験ゼロの状態からの挑戦だった。

富士山は、「いつかは登ってみたいなー」と思っていたやりたいことリストの1つ。「いつか」のまま何年も過ぎていたが、今年こそはと目標を明確にして実行した。

プラン——本当は8合目に泊まりたかったけど

富士登山を決めたのは7月上旬。正直、これは出遅れすぎだった。

色々調べると、本当は8合目付近の山小屋に泊まり、翌朝ご来光に間に合うように山頂を目指す計画がベストプラン。1日目で8合目まで登っておいて体を休め、高度順応も山小屋で過ごすことで対応し、体力も回復した上で山頂を目指すという負荷の少ないプランとされている。

ただ、7合目や8合目の山小屋は4〜5月の予約開始とともにすぐ埋まってしまうらしく、今回山小屋を探し出した7月上旬の時点では、7合目・8合目の宿はすでにすべて満室。5合目の「佐藤小屋」にようやく空きがあることをみつけ、佐藤小屋に前泊し、深夜に出発して8合目付近でご来光を迎えつつ山頂を目指すプランになった。

実際に今回5合目から山頂までを上ったが、その距離は約6kmになる。途中の岩場を上り続ける場所や、そこで体力を消耗した上で高度が上がるにつれて酸素も薄く感じる道のりで、今回私たちは登りで6時間かかった。普段ジョギングなど運動はしているが、想像していたよりきつかった。なので、8合目で泊まれるのであれば、そちらの方がずっと上りやすいと思う。

出発早々、プラン変更——深夜1時45分の出発

オリジナルのプランは、夜12時ごろに5合目の佐藤小屋を出発し、8合目あたりでご来光を迎え、その後山頂を目指すというものだった。

夜の10時頃に出発し山頂でご来光というプランも組めなくはないが、初めての富士山でもあり一気に5合目から山頂までを夜中に上りきるのは不安があったことと、ご来光時の山頂付近は込み合うという情報もあったので、このプランにした。8合目でも雲のずっと上なのでご来光はしっかり見えるし、ご来光を見つつ8合目付近で少し休憩し山頂を目指す方が無理がなさそうだという判断だった。

ただ当日、夜中12時はちょうど雨の時間帯。仕方なく、雨が止む時間に出発をずらした。結局、夜中の1時45分に佐藤小屋を出発した。

それでも結果的には、なんとか8合目でのご来光には間に合い、素晴らしい景色に出会えた。

夜明け前、雲海の向こうに空が染まり始める
空が染まり始めた瞬間。ここまで登ってきた甲斐があった

上りは絶景——雲海とご来光

上りは出発時間をずらしたことも功を奏し雨もなく、天気はスムーズだった。

きれいな雲海を望めて、絶景を楽しめた。

朝の光の中、眼下に広がる雲海と街並み
ご来光の後。雲の切れ間から、眼下の街並みまで見渡せた
青空と雲海、遠くに山小屋が見える
高度が上がるにつれ、空の青さが増していく

ここまで来ないと見られない、初めて見る絶景。来てよかったと思えた瞬間だった。

富士山頂上浅間大社奥宮の石碑
ついに山頂へ。「富士山頂上浅間大社奥宮」の石碑の前で

登山途中、山頂見上げるととても遠い先に見えたときに何度も思ったことがある。「千里の道も一歩から」という言葉を思い出し、目の前の一歩一歩を前に進めることに集中し続けていると、ふと振り返るととんでもなく高い場所まで行きついていることに何度も驚いた。

なんか、その言葉通り人生と共通するところがあるとしみじみ感じ、初登山ながら登る過程の深みを感じた。

下りは一転、雨風が激しく——休まず一気に下山

ところが、下りの8合目あたりから、急に雨風が激しくなった。

雲が山肌に迫ってくる様子
下山を始めた頃。雲がぐんぐん迫ってきた

山の天気は本当に変わりやすい。油断は禁物だと、身をもって実感した。

一面真っ白でほとんど何も見えない状態
さっきまでの絶景が嘘のように、一面真っ白に。これが山の天気

体を冷やさないよう、結果的に山頂からほぼ休まず5合目まで下山することになった。

5合目から山頂までの距離は約6km。上りは約6時間。そして、下りは約3時間かかった計算になる。

そして下りは、踏ん張る分足への負担も大きい。登りに意識がいきがちだが、登りで疲労がたまったうえでの下りもかなり負荷がかかる。今回は天候の都合で急ぎ気味に下山したが、本来であれば、ゆっくり休憩しながら下山すべきだと実感した。

無事下山——仲間と迎えた達成感

色々な天候の変化はあったけれど、無事に5合目まで戻ってこられた時、一緒に行った3人と「初富士山」を達成できた充実感を感じることができた。

やはり、「経験することで得られる満足度」を大事にすることは、とても大切な時間の使い方だと改めて感じた。みんなで次回の計画も早速考え出したり、今回の思い出も、これからもずっと楽しかった記憶として心に残り続けると思う。

これから挑戦する人へ——気をつけるべきこと

実際に登ってみて、特に「ここは気をつけた方がいい」と感じた点をまとめておきたい。

① 山小屋の予約は、とにかく早く

8合目付近の山小屋は、予約開始となる4〜5月の時点で埋まってしまうようだ。無理の少ない登山プランにするには、予約開始と同時に動く必要がある。7月上旬に決めた私たちは、5合目の佐藤小屋しか選択肢がなかった(佐藤小屋自体は、丁寧に接客もしていただけるいい宿です。ただ、5合目からの山頂は道のりが長い(6km)ので、8合目の山小屋に泊まるより負荷が大きいことは間違いない)。

山小屋の情報収集・予約には、やまたんというサイトが便利。全国の山小屋の情報が閲覧でき、オンラインで宿泊予約・事前決済までできる(一部例外あり)。富士山の山小屋も多く登録されているので、これから計画する方はまずここを見てみるといいと思う。

② 山の天気は、本当に変わりやすい

これが一番実感したことだ。深夜の出発前は雨、上りは晴れて絶景、下りは一転して激しい雨風。数時間の間に、これだけ変わる。天候の急変は「あるもの」として、装備と心構えを準備しておくべきだと思う。

天気予報もこまめに出ているけれど、本当に山の天気は一瞬で変わるので、雨具・カッパの準備は万全にすべき。

③ 準備は万端に、でも荷物は軽量に

下記は最低限必要だと感じたもの。

  • 登山用靴:登りでは岩がごつごつしたところ、下りでは砂利の道になる(雨の後はドロドロ)。登山靴はしっかり準備すべき
  • 防寒着:8月でも山頂は1桁台の気温。気温も天気や時間、高度で変わるので、重ね着できる準備をあらかじめ調べておくべき
  • 雨具・カッパ:山の天気はとても変わりやすい
  • 登山用の杖(トレッキングポール):登りも下りも大きなサポートになる
  • 手袋・グローブ:杖を使うため、そして防寒用にも重要
  • 食材、水:途中の山小屋でも購入できるが、しっかりエネルギー補給できる準備は大事
  • 夜間用のライト:夜中に上る際は必須

詳しくは関連サイトや経験者の話を聞いてしっかり準備すべきだが、今回の経験上、上記は最低限必要だった。また同時に、あまりに荷物を詰め込みすぎて重くなりすぎると大変なので、極力軽量を意識しつつ必要な装備は抜かりなく準備しておくことが、今回の経験で学んだ点だった。

④ 入山料ルール:4,000円が必要

2025年以降、1人1回4,000円の入山料が必要になっている(年齢による料金差なし)。専用予約サイトからの事前登録・支払いかもしくは現地(5合目)で支払い手続きが必要になっている。

今回、私たちは事前に予約サイトで支払いを済ませておき、スムーズに登山道に入れた。

⑤ 無理のない判断

私たちも今回、天気の状況で出発時刻を変更したりしたが、安全第一を原則に行動することがとても大切。

高山病になるケースや途中で天候が荒れるケースなどもかなりあるので、無理は禁物。何かあればすぐ引き返す、無理のない判断をベースに行動すべきだと思う。

なぜ、このタイミングで富士山だったのか

50代になって、特に大事にしようと意識していることがある。それは、体験したいことは、体験できる時に、できるだけすぐ行動するということ。

これは、50代のライフシフトを考えるうえで私がはっきり大事だと思っている肝で、仕事・お金の話・趣味・エンジョイなど、このブログのテーマ全般に共通している考え方でもある。

この先、いつ自分の体の調子が悪くなるかわからない。自分に限らず、一緒に体験したい仲間や家族の体調だって、いつ崩れるかは誰にもわからない。時間は有限だ。「いつか行きたい」と思っているだけでは、その「いつか」は永遠に来ないかもしれない。

だから今回、行ける時に行くと決めて動いた。

そしてもう一つ、大事にしたいのが、一緒に経験する仲間の存在。今回一緒に登ったのは、普段から家族ぐるみで仲良くさせてもらっている近所のパパ友3人。駅伝大会などにも一緒に出ている仲間たちだ。

楽しい経験や時間を、気心知れた仲間と一緒に積み重ねていくこと。これも、50代からのライフシフトの一つの大切な核だと思っている。


無事に登り切って戻ってこられた今、思うのは「行ってよかった」ということ。やりたいと思ったことを、やれるうちに行動に移す。これからも、そういう時間を積み重ねていきたい。

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